API と著作権
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photo credit: my textbook via photopin (license)
Oracle と Google が Java の API の著作権を巡って係争中でしたが、とうとう最高裁の判決が下りたようです(Supreme Court denies Google request in Java infringement case | Computerworld)。
このネタ、2 年ほど前からウォッチしていました。ちなみにわたしは、API に対する著作権は認めない派でした。なぜならば、著作権保護の対象になれば、あるプログラミング言語 X と、X に付属する標準ライブラリのオープンな実装ができなくなってしまうからです。
Google はここで降りずに、「確かに著作権保護の対象かもしれないが、フェアユースである」という論法に切り替えて、別の案件として審議を開始するようです。もしフェアユースであるであることが認められるならば、それが現実的な落としどころとして妥当そうです。
わたしは、「ハッカー文化の発展が妨げられるから」という理由で、著作権を認めないのが妥当だと考えていました。実際のところ、API の設計は深遠な問題で、そこにかかる労力とスキルを考えれば、著作権を認めるべきなのかもしれません。その上で、「フェアユースである」という結論に至れば、最も妥当なのかなと思うわけです。
とにもかくにも、これで「API に著作権を認める」という判例ができてしまったので、OSS プロジェクトにも少なからず影響はあるでしょう。OpenJDK は Oracle 傘下なので大丈夫でしょうが、仮に OpenJDK からフォークした Java の処理系とライブラリ群を作って訴えられたら、負ける可能性はグッと高まるでしょう。
今後の係争の行方が気になるところです。